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相続時精算課税制度の上手な活用

2017/09/14

相続時精算課税制度(以下、本制度)は平成27年からの改正で適用範囲が広がりました。暦年課税と違い大きな金額を扱えますので、制度をしっかりと理解したうえで活用しないと思わぬ後悔を招くおそれもあります。本稿では改正点も含め、同制度の仕組み、メリット・デメリットを整理します。

 

相続時精算課税制度の効果的な活用

 

財産の状況によっては本制度の活用が効果的なケースもあります。相続税の課税価格に加算されるものの、贈与税の計算では2500万円の特別控除を差し引くことができるため、ある程度まとまった金額の財産を贈与しても贈与税がかかりません。また、2500万円の特別控除を上回った部分について支払った贈与税も、相続税の仮払いであり、相続時に相続税を計算した結果、その者が支払うべき相続税が支払った贈与税より少ない場合は差額について還付を受けられます。したがって、相続税がかかるほどの財産はなく、一度にまとまった財産を贈与したい場合には、「早期に」「多額の」持参を贈与できる効果は高くなります。

また、本制度を適用した贈与財産は、相続財産の取得の有無や、贈与の時期を問わず、相続税の課税価格に加算するため、相続税の課税対象となる財産は、本制度を適用せずに相続が発生した場合と、表面的には同じとなります。ただし、不動産や株式、賃料や配当等の新たな資産を生み出す財産を贈与した場合には、その賃料や配当等は受贈者が受け取ります。そのため、被相続人の相続財産の増加が抑えられ、間接的には相続財産が少なくなる効果があるといえます。

さらに、贈与財産は相続時の評価額ではなく、贈与時の評価額で加算されるため、不動産や株式等のような価値が変動する資産のうち、贈与時よりも将来、相続発生時期に値上がりが期待できる財産を相続すると、何もせずに相続が発生する場合に比べて、相続税の課税価格が少なくなる可能性があります。

 

相続時精算課税制度活用の留意点

 

一方で本制度の適用には十分な注意も必要です。

本制度を活用して贈与した不動産は、小規模宅地等の特例を併用できません。相続税の基礎控除が大幅に縮小された現在、小規模宅地等の特例を適用する相続が増えています。この特例が適用できないことのデメリットを鑑みて贈与を検討する必要があります。

また、余命宣告でもない限り相続の時期を予測することはできません。価値が変動する資産が、贈与時より相続発生時に値上がりするかどうかを判断することは難しく、値下がりした場合の相続税の課税価格は、何もせずに相続が発生した場合に比べて高くなります。また、不動産投資により相続税の課税価格が低くなる効果を期待し、資金計画や収益性などを十分に検討しないで賃貸物件を建設し、贈与しても、受贈者には経営リスクも移転されることを認識しておかなければいけません。

改正により受贈者の範囲が広がったため、孫への贈与を検討するケースもあります。しかし、本制度は、相続財産の取得の有無や、贈与の時期を問わず、制度を適用した財産が相続時に加算されます。

 

教育資金として贈与したいのであれば、加算の範囲とならない「教育資金の一括贈与」を優先して活用するといった選択肢も考えられます。

加算によるデメリットはまだあります。本制度で財産を贈与された孫は、相続財産として取得したものではないにもかかわらず、相続財産に加算されることにより、相続税の納税義務を負う可能性があります。なおかつ、相続税の2割加算の対象にもなる。

相続設計にあたり、一度にまとめて多くの財産を移転する必要がないのであれば、暦年課税による贈与を長年にわたりコツコツ実行したほうがメリットが大きいケースも少なくありません。

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